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ワイヤーメッシュ式ボイド率分布測定技術

原子炉燃料集合体内の二相流挙動を評価するためには、ボイド率の空間分布および界面速度の時空間データが重要です。しかし、ロッドバンドル体系では構造物の存在により、従来の計測手法では多点同時計測や高時間分解能での空間分布取得が困難であるという課題があります。
本研究では、こうした課題を解決するために、ロッド内部に配線を通す構造を有する三層(3線式)ワイヤメッシュセンサ(WMS)を用いた計測手法を開発し、ロッドバンドル流路内におけるボイド率の空間分布を独自に取得可能な実験系を構築しました。
具体的には、4×4ロッドバンドル試験体に三層WMSを組み込み、高温・高圧条件(最大2.6 MPa)における水–蒸気二相流を対象として、ボイド率の断面分布および時間変動を高時間分解能で計測しました。また、上下流の信号の相互相関を用いることで、界面速度の評価も可能としました。
その結果、サブチャネル内およびロッド間領域におけるボイド率の空間分布を取得でき、蒸気流速の増加に伴うボイド率の増加や、サブチャネル中心部でのボイド率増加といった流動特性を捉えることに成功しました。また、圧力上昇に伴うボイド率および界面速度の変化も確認されました。
本研究により、三層WMSを用いたロッドバンドル内二相流のボイド率空間分布を取得する手法を確立するとともに、高温・高圧条件におけるCFDコード検証に資する実験データを提供しました。

高温・高圧条件での4×4ロッドバンドル試験体系

三層(3線式)ワイヤメッシュセンサ(WMS)の構造

WMSにより取得された時間平均ボイド率の例

参考:Taku Nagatake & Hiroyuki Yoshida (2023) Measurement of the water-vapor void fraction in a 4x4 unheated rod bundle, Journal of Nuclear Science and Technology, 60:11, 1417-1430