デブリ内熱流動実験
福島第一原子力発電所事故で生成された燃料デブリの熱流動挙動を把握するためには、多孔質体内部の流動および伝熱に関する高精度なデータが必要とされています。しかし、デブリ内部の詳細な3次元データを取得することは困難であり、数値解析コードの妥当性確認に用いる実験データも十分ではありません。
本研究では、数値解析コードの検証に資する高精度データの取得を目的として、多孔質体内の流動および自然対流熱伝達に関する実験を実施しました。具体的には、粒子充填層からなる多孔質体を対象に、圧力損失特性および温度分布の計測を行い、流動と伝熱の両面からデータ取得を行いました。
その結果、流速と圧力損失の関係から、多孔質体の透過率やForchheimer係数を評価可能であることを確認しました。また、自然対流条件下において、多孔質体内部および周囲の温度分布を取得し、流動と伝熱が連成した挙動を捉えることに成功しました。
さらに、取得した実験データを用いて数値解析との比較を行った結果、両者は概ね一致することが確認されるとともに、高流速条件や熱平衡仮定の影響による差異も明らかとなりました。
本研究により、多孔質体内の熱流動に関する高精度な実験データの取得手法を確立するとともに、燃料デブリ解析に資する基盤データを提供しました。